舞台鑑賞を楽しむためのヒントやマナー

【舞台という芸術について】

 舞台はキャストとそのサポートをする大勢の裏方から成り立っていると思われがちですが、それに加えて、一番と言っていいほど大事な要素は「観客」です。初日に観客が会場に入り初めて舞台は出来上がります。観客の仕事はただ舞台を観るだけではなく演出の一部になることです。

そこでどうしても舞台の邪魔になるのが団扇など他のイベントからのグッズです。役に成りきっているキャストのサポートになるどころかむしろ迷惑行為です。団扇やタオル、コンサートのTシャツやペンライトといった公式・非公式グッズの使用は避けましょう。

 

【持物など】

 会場内で余計な荷物は邪魔になるのでバックはなるべく小さいものが理想。パンフレットなどのグッズを購入する場合はエコバッグなどを用意するといいでしょう。階段も多く狭いので、キャリーバックなどは事前にロッカー等に預けましょう。 

「双眼鏡」は役者の表情や衣装、セットのデザインを近くで見たい時にあると便利です。オペラグラスの貸出がある会場もあります。

寒くなったときのために「一枚羽織るもの」。春や夏は薄着で会場に行きがちですが、中の温度は思ったより低いことがあります。寒くなったときのためにカーディガンやストールなどが一枚あると便利です。ブランケットなどを貸し出ししている会場もあります。

 

【服装や着席後のルール】

 服装の決め方の一つはチケットの値段を見ることです。せっかく高いお金を払って行くなら普段よりちょっとおしゃれをして非日常を楽しみましょう。仕事帰りならオフィスカジュアルでも充分だと思います。

注意する点は「髪型」。舞台の会場内は段差がほとんどありません。そのため前後の席が縦に重なることが多く、髪型によっては後ろの人の迷惑になってしいます。ロングヘアの方は低い位置でまとめるといいですね。

常識ですが、会場では携帯電話は必ず電源から切りましょう。バイブでもかなり響いて大迷惑です。またサイレントでも会場内の舞台関係の電子機器に影響を及ぼす場合があります。着席したら、同行者同士「ケータイは切った?」と確認しあいましょう。

会場内のほとんどの観客は一般の方ですが、たまに招待された有名人がいます。あくまでもプライベートで来られているので、近寄ってファンサービスや握手、サインを求める、名前を呼ぶなどの行動を慎むのは大人の常識です。

 

【観劇中のマナー】

一番大事なルールの一つは椅子の背もたれに背をつけて座ること。舞台に集中するとつい前のめりになりがちですが、そうすると周りの席から舞台が観にくくなったりして大変迷惑になるので気をつけましょう。

 基本的に会場内での飲食は禁止です。舞台が始まる前、休憩中、終わってからも、飲食は指定された場所でするのが舞台観賞のマナーです。

 上演中の私語はもちろん厳禁です。役者の名前を呼ぶこともあまり良いマナーとは言えません。お目当て以外にもたくさんの役者が舞台上にいるので、その方々の迷惑になってしまいます。そして、もし役者が近くに来ても話しかけたりしないようにしましょう。

 大事な事は、面白かったら笑う!悲しかったら泣く!とにかく楽しむことです。カーテンコールで立ち上がって拍手をする観客がいて、もしあなたもすばらしい舞台だと思ったら、一緒に立ち上がって出演者やスタッフに拍手を送ってみてはいかがでしょう。

 舞台は唯一、生の演技が観られる場所です。キャストにとっても観客にとっても貴重な一期一会の縁を楽しみましょう。しかし、残念なことに今の日本の舞台業界は順調ではありません。これを機にいろんな劇場に足を運んでくださる方が増えればと願っています。

 

これで「舞台鑑賞を楽しむためのヒントやマナー」は終了です。最後まで読んで頂きありがとうございました。お気づきの点がありましたら、お知らせ頂けると嬉しいです。